【ウルトラミラクルラブストーリー】

なんで見に行こうと思った?
麻生久美子さんを見たかった。

彼女の100%じゃない感じがいい。
演技に対してというのではなく、存在感の5%が浮遊している感じ。

舞台は青森。
ヘンテコ農業青年・陽人(ようじん・松山ケンイチ)の恋の話。
いや、恋の話だけど、恋の話じゃあない話。いや、やっぱり恋の話ど真ん中。

陽人は祖母と無農薬有機栽培の野菜を売って歩く。  
ある日東京からやってきた保育士の町子(麻生久美子)に、
陽人は生まれて初めての恋をする。

しかし町子が青森に来たのは、カミサマと呼ばれる占い師に会うため。
なぜなら事故で死んだ元カレの首がまだ見つかっていないから
…というあな恐ろしい設定。

けれどもそんな噂なんておかまいなしの陽人は、毎日町子先生に会いに行く。
町子先生を好きになってしまったから。

『両思い』…って、陽人はこそばゆく懐かしい言葉を度々口にしてたな。
そうして、『片思い』の陽人の、その強すぎる思いは、
嘘みたいな出来事を次々と巻き起こしてく。

主人公:陽人はとにかくいつも異常にテンションが高い。そう、脳の具合。

私、津軽弁は知らない・分からない。
標準語とえらく違う。字幕も出ない。…ん?出たら変か。
でも沖縄の言葉がそうであるように、どこか“節”がある。

陽人は、意味不明部分半分以上の津軽弁をまくし立てる。
ずっと身体も動いている。バタバタと飛び跳ねている。
そうしてある日、陽人は秘薬?魔法の薬?を発見してしまう。発見してしまった。
何度も浴びる。
そう、町子先生が好きだから。

ビックリするようなことが起こるんだけど、登場人物たちはさして慌てず、淡々。
他人のコトだからと、冷めて淡々じゃあなくて、
まあそれもアリかな?そうそう、実際起こったんだから、まあ…アリだ!風。

<え?なんて?何言っている?どういう意味?>の、津軽弁満載でも、
ちゃあんとストーリーが分かるから、やっぱりアリ!の、アリ。

<なんで?まさか!えっ?>みたいな展開も随所にあるけど、
そんなん、別にぃーで、爽やかにスルーさせる力?風が吹いているような。

青森出身の松山ケンイチさんが、のびのびまくし立てる津軽弁の魔法かも知れん。

陽人は、毎日書くホワイトボードの日記に
-「脳みそだけは町子にあげる」と、書き残していた。

 
監督は横浜聡子(よこはま さとこ)さんと言う方。

今回の作品で、初めて知った。1978年生まれ。お若いなあ。
ゆれる』、『ディア・ドクター』 の監督:西川美和さんが1974年生まれ。
お二人とも若いし監督だけでなく脚本も御自分で書いている。
オリジナル脚本はやっぱりいいな。
うまく言えないけど、ちゃんといい感じでおさまる。

本当に、実にいろんな人生がある、才能がある、チャンスがある。
いちばん大変なのはきっとそのチャンスを見つけることだろうな。
チャンスは才能を育み、ずらっと並べたら・・・人生が出来上がる。

パンフレットの中で、
末井昭さん(編集者)という方が書かれている“タマシー”の文章が好き。

タイトル:『脳みそなんか!』

-「タマシーは人間の体のどこに宿るのだろう?
科学では、脳だろう。いや、科学では、タマシーなんか存在しないことになっている。
いや、存在したらいけないのだ。だから誰もタマシーのことは教えてくれない。
     ・・・(中略)・・・
世の人は、脳ミソは人間の体の一番大事なところと思っている。
脳ミソの調子の悪い人間は不良品と思っている。
でも、そんなとこにタマシーがあるわけじゃない。
そんなもの、熊に食わしてしてしまえ。というところが、パンクでカッコいい。」


【今日の作品】【ウルトラミラクルラブストーリー】
【今日の部員】昨日:モディ★今日:脳腫瘍 ★明日:リリー


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