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【ヒアアフター】

物語の冒頭に津波のシーンがあり、
10数万人の死者が出たということで、
3月11日の東日本大震災の大津波を想起させられた。

主人公の1人である、マリーが津波に飲み込まれ、
一時は命を落とす凄惨なシーンとなるが、「一時は命を落とす」ということは、
マリーは死後の体験をする分けで、有名なテレビキャスターでもあるマリーは、
その後この体験を本にしようと仕事まで犠牲にし、
自分の心の奥底に眠っていたものに目覚め、彼女にとって真実の生き方を手にする。

それはこの社会にとっては疎くはばかられるもので、
仕事復帰も叶わぬものになるし、昨日まであった栄光が、
無に帰すものとなる。

人は死んだらどうなるかとか、
愛する者の死に締めつけられた胸の悲しみはいつまでも取れず、
本当にこの世は、生とは、いったい何であろうかと思い悩ませられるが、
それをいったん表の世界に公表し、体験を話そうものなら、
変人として扱われる。

もう一人の主人公のジョージも霊能者という自分の才能に世間から奇人扱いされ、
誰かを好きになっても離れられ、この社会では、今生きているこの現実だけが、
真実のものであると、とらえられる。

クリント・イーストウッド監督は死後の世界があること、
愛する人や家族は死んでもあの世で生きていることを、明るくさわやかに描いた。

僕らの生きているこの世界は、世知辛く、
あたかも金や目に見えるものだけが支配しているかのごとく考えられがちだけど、
生きるのは金や物のためだけにあらず、
来世や見えない世界とのつながりを通してもまた生きていることを見せられ、
それがこの世界に生きることに対して、大きな癒しになっている。

ジョージとマリー、
そしてもう一人の少年マーカスの3人がそれぞれのつらい体験や過去を通して、
見えない世界を信じ、愛に目覚めることに、僕らも大きな感動を得た。


【今日の作品】【ヒアアフター】
【今日の部員】小林 真三さん