月別アーカイブ: 2012年1月

【トウキョウソナタ】

キョンキョン、だんだん素敵になってくる。
いいな、年を重ねていい雰囲気。

日本・オランダ・香港の合作映画だとは知らなかった。

黒沢清監督、見たことある作品は2本のみ。
役所広司さんと萩原聖人さんの『CURE』(キュア)と
オダギリジョーさんと浅野忠信さんの『アカルイミライ』。

どっちもちょっと怖くて、心病んでて、凶暴で、
殺人とかあって、奇妙さがあって…

だから、そういう作品を撮る監督のイメージだった。
初めてみたいです、家族をストレートに描いた作品。

■『トウキョウソナタ』は、両親と息子二人の家族の話。

・お兄ちゃんの話もボクの話も、全然聞いてくれないお父さんと
・なんだかいつもつまらなそうなお母さんと
・バイトばっかりしてて、家に居なくて、何を考えてるか分からないお兄ちゃんと
・給食費でこっそりピアノ習ってるボク

そうして、お父さんも、お母さんも、お兄ちゃんも、そしてボクも、
みんなナイショの秘密がある。

それでも、“普通に普通に”御飯を一緒に食べたりしてた。
でもある日、ボクが家に帰ったら家の中がぐちゃぐちゃになってて、
誰も居なくなってた。

タイトルの『ソナタ』、
なんとなく本編がらみで…
『ソナタは、複数の楽章から構成される』の意として解釈した。

■キャスティングだけみても本編見たくなる。

リストラされても家族に言えない、父親の威厳を死守したい、
プライドにしがみつくから、カクメイから一番遠いところにいる。 

そんな父親役は、当初から、監督、香川照之さんを想定してたそうだ。
つまらん旧式殻付弱虫父さんを名演(笑)

お母さん役の小泉今日子さんもファーストチョイスだったとか。

監督の言葉:
「僕は笑ってないときの小泉さんの、遠くを見通してるような目が大好きなんです」
(う~ん、吐息がもれそう。ちょっと誰かに言って欲しくなるような台詞。)

彼女がいるから家族が成立してる。父に言えないことでも母には言える。
彼女は自分を犠牲にして家族の要になってる…ようにみえて、
実は彼女がいちばんーーー

名台詞を彼女に言わせてる。
『自分は一人しかいません。信じられるのはそれだけじゃないですか』
うーん、いい台詞なあ。ホッとする。

…そう、人はみな自分です・自分は1個の物体です・万人に万個の自分です。
太古の昔から実に公平に、スタート・エンドを繰りかえします。
思えば健気なハナシじゃないですか。 

重力ピエロ』での、弟(春)が言った 

-「どんな時代でも、想像力というものは先人から引き継ぐものじゃなくて、
毎回毎回、芸術家が必死になって搾り出さなくてはいけないってことだよ。
だから、芸術は進化するものではないんだ。」

の台詞、思い出しましたもの。

となると、自分は・人生は、芸術!いいもん創りたくなりません?

反抗的な長男:小柳祐くん(’88年生まれ)、オットコ前です。
すっとした・真っ直ぐな反抗…って言うものオカシイけど、そんな感じ。

そうそう、
『彼には華がある。他の映画で目立つ前に使っておこうと思った』って、
監督の言葉がパンフの中にありました。 

最後の見せ場を作る二男:井之脇海くん(’95年生まれ)のこと、
監督も、香川さんも、キョンキョンも絶賛してました。

息子らは、父と対極にある。
息子たちはしがみつくプライドを持ちえてないから、
カクメイを夢見ることができる。

母親が昼寝で見る夢、長男が出てくる夢のシーンは胸が締め付けられた。

で、役所広司さんの役どころがとてもオカシイ♪ 情けない・情けない男です(笑)

そうそう、二男の担任役:アンジャッシュの児嶋さん、父親の友人:津田寛治さん、
このお二人が、「うんうん、居る居る、こういう大人」で、とてもいい。

ドビュッシーの、ある曲がフルで聴けます。 
-「あ~、なんとなく映画の流れ、想像できるなあ~」
と、思ったかもしれませんが、
その想像を素晴らしく・はるか高いハードルで越えちゃいます!

なんせ、自分を生きるって芸術ですもの。

私、家族の <括(くく)り> は、そっから一度は抜け出るためにある輪。
<抜け出る・自分を生きる>きっかけになるべく、そこに<標準装備>として、
用意されてるんじゃないかと思いました。

-『リアルだと感じる親子関係は、お互いを気にはしてるが、
本当の自分自身は隠している。家庭という共同体に中で、
なんとなく親子を演じてはいるが、真っ向から向き合っていないというもの。
…でも、向き合うことが絶対にないとは言えないだろう…ということで、
今回衝突させてみたかったんです。
…でも、最後にどうにかしてある種の希望にたどり着きたかった。」
(黒沢清監督:談)


【今日の作品】【トウキョウソナタ】
【今日の部員】昨日:モディ★今日:脳腫瘍 ★明日:リリー

【SPACE BATTLESHIP ヤマト】

―『ええっ!?』
な、ストーリーの展開具合や、
木村くんのちょっと大仰な台詞回しや、人物のセッティングで、
ああ、ああ、こりゃあ、カンペキに娯楽作品狙いだなあと。

それもごく分かりやすい“楽しい”のあたり。
元々が壮大な宇宙相手のフィクションなんやもの。

どこかで同じ感覚になったなあとかも思って…
ならあら、『モスラ』(←大昔過ぎ!)とか、『燃えよドラゴン』とか…

人生を語るとか、人間を見つめるとか、奇をてらうとか、魅せるとか、
哲学的とか、心理学的とか、オカルト的とか、そう、恋愛とか、
壮大とか、優雅とか、複雑とか、比喩とか、抽象とか、
うん、脱力とかとかの 最近風・大勢風じゃあなくて、
単純に楽しむ映画狙いなんだと、見ながら思えて来た。

どっか、70年代の・オリジナルアニメの・ヤマトの、
あの時代感覚の、ちょっとレトロな、“映画は 楽しむもん”のあたり。

さて、その視点でポイントで宣伝してたかなあ。
もし、『大作です!』とか言っていたのだったら、そりゃあ不味かったかもね。

見ながらそう思い始めたら、どっか可笑しくて 楽しくて。
これって あの映画のちょっとパロディ?みたいなトコもあって。

でも一方、思った、確信した。

ああ、きっと 批判あるどー!って。いっぱい あるどー!って。
で、そう思うと、なんかさらに映画が面白くて。

そう、なんたって<評価>より はるかに安易な <批判>ですもん。
ヤマトに関係なく、それは日常的。

この、生活や世間や人間関係の様々なシーンで、
『いいね』と言うより、『優れていると思う』と言うより、
う~ん、ここがね・そこがね、の<あら捜し>の方が、
ふ~む、あれがね・それがね、の<批判>の方が、
うんと遥かに、イスカンダルに行くほど遥か大差のイージーで、
保身で、どっか逃げで、自己弁護だよなあと。


【今日の作品】【SPACE BATTLESHIP ヤマト】
【今日の部員】昨日:モディ★今日:脳腫瘍 ★明日:リリー

【ひな菊の人生】

ひな菊の人生 吉本ばなな を読了。 生と死と色々な匂いが文章からふわりとたちのぼってくるような本。生きているのは当たり前のようで当たり前ではないし、ましてや死ぬことすら珍しくはない。生きている間の何気ない一つ一つの日常の出来事がつみかさなって自分の人生を幸せにする。 #感想部Tue Jan 10 13:04:28 via Twitter for Androidsaya
nebosuke_saya

ほんとに理系すごいよ理系。

戸田山和久「「科学的思考」のレッスン」読了。理系すごいよ理系。実験をしたことのない法学部卒には大変勉強になる内容でした。後ろに乗っているブックガイドのなかの何冊かも読み進めて行こうと思います。サンデルよりこっちの科学哲学の方が面白い。Sun Jan 08 17:02:11 via Mobile Webプン山
nedimakidori

【虚言少年】

虚言少年」をよんだ。小学生の純粋な有るべき姿を残しつつ、大人になっていっている内面。自分はこんな小学生時代を送っていただろうかと、少しだけ登場人物がうらやましくなった。普通に笑って普通に過ごしていくことの大切さを実感できたと思う。 #感想部Sat Jan 07 18:25:51 via webそぼろ
sawada325

【夏の名残の薔薇】

恩田陸の夏の名残の薔薇を読了。あいだにはいる引用の文が少し読みにくい。自分のことって自分が一番わからないのかも。人の目から見た自分をみることによって、これが自分自身だと思い込むことはありそう。様々な人の視点に立って話が進むため、違う目線で物語を楽しめました。 #感想部Fri Jan 06 16:02:30 via Twitter for Androidsaya
nebosuke_saya